クロモリストへの道

クロモリストへの道

パンターニをこよなく愛するポタクライマーが綴るクロモリを中心としたロードバイク生活

グランフォンド八ヶ岳

今回は、2019年最後に参加したイベントグランフォンド八ヶ岳についてレポートしたいと思います。年内にアップするつもりが年を越してしまいました、本文中の今年=2019年です(汗)

グランフォンド八ヶ岳は、毎年秋のはじめに開催されているロングライドのイベント。今年は10月6日(日)でした。記念すべき10回目の大会で、協賛する”ピナレロ”の文字が今回から加わり、グランフォンドピナレロ八ヶ岳が正式名称です。

第10回グランフォンド ピナレロ八ケ岳【公式】

因みに、八ヶ岳のイベントには、4月に開催されるツール・ド・八ヶ岳というヒルクライムもあります。ゴールは国道299号線麦草峠渋峠に次いで国道で2番目の高所)。また、今年から9月に八ヶ岳高原ヒルアタックというヒルクライムも始まりました。こちらは八ヶ岳高原ラインが舞台のショートレース。

グランフォンド八ヶ岳は、ロングライドながらも結構なヒルクライムセクションがあり、走りごたえのあるコース設定になっています。全長113kmのロングコースと73kmのショートコースがあり、自分が参加したのはもちろんショートコースですが、それでも存分に坂を堪能しました(^^)

それでは、出場のきっかけからお話ししたいと思います。

 

プロローグ 出場のきっかけ

8月下旬にヒルクライムイベント”マウンテンサイクリング in 乗鞍”に出場しました。

当初、今年のイベント出場はそれで打ち止めにするつもりでした。予算の制限もあり、ヒルクライムの最高峰”乗鞍”を満喫して思い残すことなくシーズン終了…というはずでしたが、終わって1週間もするとまたイベントに出たくてウズウズしてきました。今年は特に、9月に入っても気温が高い状態がずっと続いていたので、まだまだ走れるかな?と。

今から参加できるイベントを検索しました。カテゴリーはヒルクライムかロングライド。ヒットしたのはツール・ド・日光グランフォンド八ヶ岳の2件。

ツール・ド・日光はグランフォンド八ヶ岳と同じロングライドで、気軽に参加できるサイクリングコースから本格的な山岳コースまで4つのカテゴリーがあり、最長の100kmコースはかなりハードそう。実は信州に加え日光もお気に入りの場所のひとつ。昔、マウンテンバイクで奥日光の中禅寺湖畔を走ったことがあり最高の気分でした。ツール・ド・日光は奥日光までは行かず手前の奥鬼怒がメインステージのようですが、いつかまた自転車で走ってみたいと思っていたエリアです。

しかし、いかんせん日光は遠い…。自分が住む湘南からは圏央道が久喜ICまで繋がったお陰で大分アクセスは良くなったものの(早ければ3時間ほど)、高速料金が嵩みます。今回は計画外の参加で予算に限りがあるため(お小遣いから捻出)、ちと厳しい…。宿もコレといったところが空いていませんでした。

それに比べ、八ヶ岳は中央道で手軽にアクセスでき高速料金は半額足らず。宿もガラガラで選び放題でした。ということで八ヶ岳に決定!

八ヶ岳も好きな場所ですが、自転車のイベントがあることは今回まで知りませんでした。アクセスしやすい反面、中途半端な感じがして、その先の安曇野や乗鞍に目が向いていたこともあります。昔スキーをしていた頃も「予算がないためできるだけ近いスキー場に行こう」と八ヶ岳周辺のサンメドウズ清里や小海リエックスによく通いましたが、規模や雪質から中途半端な感じは否めませんでした。

また、その時に何度も通った八ヶ岳に向かうメインルートの国道141号は、中央道の須玉ICから清里に向かってだらだらと続く長い上りが印象的でした。それ以外のルートも大体同じで、八ヶ岳に向かってなだらかな山麓をひたすら上るイメージです。正直、自転車で走っても楽しくなさそう…。そう思いながら、グランフォンド八ヶ岳のコースをチェックしてみました。

スタート地点は清里駅からすぐの清里の森”。そこからコースは大きく3つのセクションに分かれます(73kmのショートコースの場合)。

セクション1.八ヶ岳高原ラインのダウンヒル清里の森をスタートし2kmぐらい上ると”八ヶ岳高原ライン”に入ります。小淵沢まで約20kmの豪快なダウンヒル

セクション2.横スライド&南下:小淵沢から国道141に向かってずずーっと横スライド、その後須玉に向かって南下します。ほとんど平坦のセクション。

セクション3.清里に向けてヒルクライム国道141と並行して走る県道をひたすら上ります。途中に激坂が待ち構えるヒルクライムセクション。

周回コースですから下ったからにはもちろん上りがあります。前半ラクチン、後半しんどいというメリハリのあるコースのようですね…。じつは八ヶ岳高原ラインは20代のときに友人とMTBダウンヒルしたことがあります。上りが大の苦手だった当時、「どこか楽に走れるコースはないかな?」と考え、小海線清里駅まで輪行し、八ヶ岳高原ライン経由で韮崎駅まで下りました。ですので、セクション1とセクション2はイメージが沸きますが、問題はセクション3です。

グランフォンド八ヶ岳ググると、海岸寺の坂”というワードが多数ヒットします。セクション3にある勾配14%の激坂で、コース中最大の名所となっている模様。参加者のブログでは「バイクから降りて押して上った」という記述も見られます。う~ん、大丈夫だろうか…?YouTubeでコースの動画をチェックしましたが勾配の感じはよく分かりません。でも、激坂と聞けば坂バカとしては是非走ってみたくなります。

グランフォンド八ヶ岳にはエイドステーションが5箇所(ショートの場合。ロングは8箇所)もあり、そこでふるまわれる食べ物も評判になっているようです。八ヶ岳名物であるソフトクリームもあるとのこと♪

因みに宿については、今回も家族と一緒のため施設やアクティビティが充実しているところがよいと考え、清泉寮と迷った挙句、清里高原ホテル”にしました。スタート会場の清里の森を2kmぐらい上ったところにある高原リゾートホテルで、周辺の宿で一番標高が高く、眼下の眺めだけでなく、上を見上げれば満天の星空も楽しめると紹介されています。先に言ってしまいますと、選んで大正解の宿でした(理由は後ほど)。

 

大会前日

いつものようにほとんど練習することなく大会前日を迎えました。旅行気分で朝9:00に自宅を出発します。

心配した雨は前日に上がり見事な快晴。圏央道〜中央道と順調に走ること2時間、双葉SA過ぎ辺りで前方に八ヶ岳の雄姿が見えてきました。山頂までくっきり、八つの峰を数えることができます。

まだお昼前ですが、長坂ICで降りて早めのランチを取ることにしました。

f:id:ma2sun:20191226203649j:image
f:id:ma2sun:20191226203646j:imageお邪魔したのは北杜市にある”キッチン オハナ”というオーガニック料理のお店。周辺には同じようなオーガニックの店がたくさんあるようで、都心から移住した食生活に対する意識高め?の方たちが経営されており、一種のカルチャーのようなものを感じました。グランフォンド八ヶ岳のエイドになっている”道の駅こぶちざわ”でも、販売されている野菜はほとんどオーガニックで、それがリーズナブルに手に入る環境はとても羨ましいです。老後の移住先候補がひとつ増えました(笑)。

ランチの後は八ヶ岳の観光スポットを巡ります。

f:id:ma2sun:20191226202847j:image北杜八ヶ岳公園線(八ヶ岳高原大橋駐車場から)

f:id:ma2sun:20191226202921j:image吐竜の滝(八ヶ岳でいちばん美しい滝だそう)

f:id:ma2sun:20191228065337j:plain清里ミルクプラント(甘くない大人仕様のソフトクリームでした)

f:id:ma2sun:20191226203451j:image清泉寮ジャージーハット(デッキからの眺めが最高です)

f:id:ma2sun:20200112004603j:plain八ヶ岳クラブ(柳生さんお元気そうでした)

これだけいろいろ楽しめるのは距離が近い八ヶ岳ならではですね。その後、受付を済ませるため(この大会は前日受付のみ)スタート地点がある清里の森”に向かいました。

清里の森は、森に囲まれた広大な敷地の中にゴルフコース、テニスコート、コンサート会場、レストランなどが集まった複合施設。高原ムード満点の場所です。駐車場こそ少し混んでいましたが、前回参加した乗鞍に比べると人は少なく、待たずに受付が完了しました。

f:id:ma2sun:20191226203122j:image
f:id:ma2sun:20191226203128j:imageショップのブースも10軒ぐらいと控え目。情報によると、出場者数は乗鞍の1/3以下の1,200人ぐらい(うち、自分が出場したショートクラスは200人ぐらい)。会場全体がのんびりした感じでした。

受付を済ませてもまだ4時ぐらいでしたが、もう行くところも無いため、早めにホテルにチェックインし、ホテル内の池の周りを散歩したり、温泉に入ったりしてゆっくり過ごしました。

f:id:ma2sun:20191228070405j:plain夕食後は天体観測(天体望遠鏡プラネタリウムあり)や生ピアノの演奏会もありリゾートを満喫(^^)

 

大会当日の朝~スタート

大会当日の朝を迎えました。部屋の外を眺めると霧で真っ白です。標高が高いこともあり朝は霧が出やすいのでしょう。天気予報は晴れのち曇りです。

出場するショートコース組のスタートは9:00(ロングコース組は7:00)と遅く、会場までもすぐのため、ゆっくり朝食を食べてから出発できます。その点もこのホテルにして正解でした。

朝食を済ませ、トイレで出すものも出して、部屋でジャージに着替えます。寒いのか暑いのか迷いましたが、上下薄手の長袖にして、すぐに脱げるウィンドブレーカーを羽織りました。朝は少し肌寒いですが、昼間は暑くなりそう。10月というのにまだ夏の名残があります。

8:15にホテルを出発。まだ霧はすっきり晴れていませんが、7:00スタート組は大丈夫だったのでしょうか?会場には5分で到着しました。

f:id:ma2sun:20191226203958j:image
f:id:ma2sun:20191226203954j:image会場は昨日の受付のときと変わらずのんびりムードでした。9:00スタート組はマイナー集団のため人数もまばら。このこじんまり感がいいです。一応、進行役のDJがいますが、出場者達と会話したりしてアットホームな感じ。そのせいか、スタートまで緊張することなくとてもリラックスできました。さあ、いよいよスタートです~。

 

スタート~八ヶ岳高原ライン入口

スタートは25人ぐらいずつ30秒間隔で行います。

f:id:ma2sun:20191226204105j:image後ろの方に並び、DJの「行ってらっしゃ~い」という掛け声でスタート!

飛び出す人はおらず、皆ゆっくりしたスタートです。あれ?自分が先頭になっちゃった…。会場を出るとすぐに上りが始まりました。勾配7~8%ぐらいの真っすぐの上り。距離は2kmもあります。これがあるので皆ゆっくりスタートだったのですね…。

早速ギヤはインナーロー(39×25)。最初から無理する参加者はおらず、集団は1列になってゆっくりペースで上ります。速度は15km/hぐらい。興味深いのは、飛ばす人はいませんが、遅れる人もいないことです。通常、坂道では必ず遅れる人が出ます。周りを見渡すと、皆、経験豊富なベテランライダーぽい。後ろの方で女性ライダーたちが「さすがにここで遅れるヒトはいないよね~」と談笑しているのが聞こえます。じつは、20代にMTBでここに来た際、自分はバイクから降りて2km歩きました…。

当然そんなへぼい参加者はおらず、皆、何事もなかったように淡々とクリアして八ヶ岳高原ラインに合流しました。

 

八ヶ岳高原ライン入口~道の駅こぶちざわ(第1エイド)

清里の森からの道を左折し、八ヶ岳高原ラインに入りました。ここから先、小淵沢まで約16kmずーっと下りです。

走り出してすぐ、八ヶ岳随一の展望スポットである”東沢大橋”を渡ります。赤い欄干でお馴染みですね。

f:id:ma2sun:20191226204506j:image
f:id:ma2sun:20191226204449j:image本来なら、橋の上から眼下の素晴らしい景色を望めるのですが、霧で霞んでいます。反対側には間近に八ヶ岳の雄姿を望めるはずですが、こちらも雲に隠れていました。残念…。

ところで、バイクを停めて写真を撮っているのは自分だけでした。安曇野のような撮影会が繰り広げられていると想像していたのですが…。因みにこの後も全行程、撮影会はゼロ。パシャパシャ撮影している自分を冷めた横目で見ながら、皆ストイックに先を急ぎます。


f:id:ma2sun:20191226204615j:imageそれでも懲りずに"まきば公園"でまたパチリ(汗)

この後すぐ、まきば公園駐車場入口のカーブで落車事故に遭遇。救急車が出ており、スタッフが必死にスローダウンを呼びかけています。自分も気をつけないと…。

f:id:ma2sun:20191226204445j:image八ヶ岳高原ラインは下りの高速コーナーが連続します。ひたすら下りのため、どんどんスピードが乗りますが、先ほどの落車事故の影響もあってか、皆スピードをかなりセーブしています。平均速度は30km/hぐらい。一列になって、無茶な追い越しをかける人はほとんどいません。乗鞍ヒルクライムの下山(70km/hぐらい出している)とは大違い。追い抜く時もハンドサイン&声をかけて、とにかく皆マナーいいです。

ただ、それもあってか、小淵沢までの道のりが長く感じました。下りなのであっという間と思っていたのですが。体も冷えてきました…。

 

道の駅こぶちざわ(第1エイド)~高根体育館(第4エイド)

下り始めて40分、時刻は10:00過ぎ。ようやく八ヶ岳高原ラインの終点に来ました。左折したところにあるのが第1エイド”道の駅こぶちざわ”です。

グランフォンド八ヶ岳ではこんな”エイドチケット”なるものが配られます。

f:id:ma2sun:20200101200639j:image第1エイドのふるまいは古代米せんべいゼリーと書いてあります。古代米せんべいとはなんぞや?分からないけど楽しみ♪

入口に向かったところ、何やら人だかりができています。近付くとエイドを示す看板に小さな貼り紙がしてあります。「蜂が出たため第1エイドは閉鎖しました」

「!!?」

やっと休めると思っていたのに…。昨年の乗鞍ヒルクライムでもスズメ蜂に30人ぐらい刺されたとニュースになっていましたが、自転車と蜂は相性が悪いのでしょうか?

スタッフによると、エイドはないが道の駅のトイレは使用できるとのこと。そこでトイレにだけ立ち寄ることにしました。

f:id:ma2sun:20191226204454j:image一般の観光客がたくさんいるのでバイクを止めるのも一苦労。長居できる雰囲気ではなかったため、トイレを済ませて早々に再スタートしました。

道の駅こぶちざわを出て小海線の踏切を渡ると、正面に星野リゾート”リゾナー八ヶ岳があるT字路にぶつかります。そこを左折し、時計まわりにぐるっと5kmぐらいの周回コースを走ります。距離を稼ぐために組み込まれたルートなのかもしれませんが、のどかな田舎道で癒される〜。

f:id:ma2sun:20191231180036j:image南アルプスをバックに。雲がかかってボンヤリですが…。

f:id:ma2sun:20191231180039j:image八ヶ岳も山頂には雲がかかっていました。

このあと下りカーブでまた落車事故現場に遭遇。怖っ…下りはスピードが乗るのでホント要注意ですね。

さっきのリゾナー八ヶ岳に戻り周回コースは終了。そのまま道なりに進み、”生涯学習センター前”交差点を左折し、県道608号線を東へ。因みにロングコース組は交差点を直進し白州の方まで足を伸ばしてからこのコースに合流します。

ここからは国道141に向かってひたすら横スライド。前半のダウンヒルコースと後半のヒルクライムコースを結ぶトランジット区間のようなものです。道はまっすぐでほぼ平坦、30km/h前後で進みます。

f:id:ma2sun:20200101004226j:image周りはダイナミックな変化がない片田舎の風景ですが、時折り視界が開けて左手に八ヶ岳が望めます。

f:id:ma2sun:20200101004216j:imageこんな素敵なポイントも(*^^*)

f:id:ma2sun:20200101110252j:imageこのイベントには”STAFF”と書かれたゼッケンを付けたサポートライダーが一緒に走っており、コース案内やパンクなど緊急時の対応を行っています。とても心強いですね。中にはトマッシーニの渋いクロモリに乗ったサポートライダーも!

この区間はそれなりに交通量もあるため、ほぼ一列になって皆同じペースで走ります。というか、序盤からずっとこんな感じですね。抜いたり抜かれたりがほとんどありません。

そんな訳で淡々と距離を稼ぎ、前方に金峰山方面の山並みが見えてきました。国道141号手前の"船形神社入口"交差点で右折し、須玉に向かって一旦南下します。道はゆるやかな下りでスピードが乗ります。スタートからの距離は40km、もう全体の半分以上走っています。ここまでほとんど足は使っていないものの、そろそろ疲れてきました。休憩したい…。

そう思っていたところ、待望の第4エイド"高根体育館"が見えてきました。

 

高根体育館(第4エイド)~おいしい学校(第6エイド)

時刻は11:20、第4エイド"高根体育館"に到着しました。ショートコース組にとっては2つ目のエイドです。

f:id:ma2sun:20200101114543j:image高根体育館は敷地が広く開放感があります。ショートコース組にとって実質はじめてのエイドということもあり、テント前には補給食を求める長い行列ができていました。

f:id:ma2sun:20200101114637j:image温かいお蕎麦、結構量があります。

f:id:ma2sun:20200101114811j:image高原レタス、こちらもテンコ盛り。テーブルに3種類のドレッシングが置いてあり自分でかけて食べます。

さらに持参したプロテインバーをかじりお腹が満たされました。ようやくホッと一息、やっぱりエイドはロングライドに欠かせない場所ですね。10分ぐらい休んでパワーが回復してから再スタートしました。

 高根体育館を出てすぐに国道141号を横切り、引き続き南下します。ゴールと反対方向に進んでいる形。標高もどんどん下がって行きます。後半の上りが思いやられる…。

f:id:ma2sun:20200101180623j:image畑の中のこんな細い農道も走ります。

どこまで南下するのやら…と心配していると、やっと左折の看板が現れました。曲がって進むと、須玉川に架かる橋に出ます。

f:id:ma2sun:20200101180628j:image右手には南アルプス、左手には八ヶ岳が望めます。小さな橋ですが印象に残りました。ここがコース上の最低(標高)地点のような気がします。

予感は的中し、橋を渡って左コーナーを曲がると急坂が待ち構えていました。スタート以来久々にインナーに入れます。この坂は一瞬で終わり、増富ラジウムラインのT字路に出ました。

f:id:ma2sun:20200101180632j:imageショートコース組は左折、いよいよ後半戦の上りに入ります。ロングコース組は右折、さらに南下して回り道のうえ合流します。ショートコースでよかった…(汗)

f:id:ma2sun:20200101181431j:image増冨ラジウムラインはセンターラインのある立派な道で、右側には金峰山方面の雄大な山並みが広がります。「いい景色だなぁ」と見とれていると、道は二手に分かれ、左側の細い脇道に入りました。ん…?道は上っています。みるみる勾配を増し、あっと言う間に13%。

いきなり激坂の洗礼です。心の準備ができていなかったためテンパりましたが、取り敢えず全力で乗り切るしかありません。

f:id:ma2sun:20200110213137j:image幸い激坂区間は500mぐらい、この八ヶ岳が見える辺りで終了しました。

その後勾配は6~7%に落ち着きます。道幅は細いですが車の往来がほとんどないため走りやすい。周りの景色は森、渓谷、畑、果樹園と次々と移り変わり、走っていて飽きません。時折り左前方に八ヶ岳も顔を出します。国道141号の裏道にこんないいルートがあったとは…。

f:id:ma2sun:20200101181421j:image
f:id:ma2sun:20200101181428j:image
f:id:ma2sun:20200101181425j:imageとはいえずっと上り基調ですのでキツイのはキツイです。ショートコースの自分はまだ脚がフレッシュなのでいいですが、ロングコースはここまで90kmぐらい走っての上りですので苦しそうな参加者もいました。でもその苦しみを楽しんでいるように見えるのは、ホントに走り好きな人たちなのでしょう(ドMかも?)。

こうして静かな山道を進むこと約30分、突然標識が現れました。第6エイド”おいしい学校”です。

 

おいしい学校(第6エイド)~JA梨北(第7エイド)

時刻は12:20、第6エイド”おいしい学校”に到着しました。ここは山あいにある昔の学校を観光客や地域のコミュニティのために改装、開放したもので、レストラン、パン工房、農産物の直売所から宿泊施設まであります。なんと明治、大正、昭和の3代に渡る校舎が現存して横一列に並んでおり、全国でも大変珍しいとか。

f:id:ma2sun:20200101181447j:image大正時代の校舎前がエイドになっています。この左隣に昭和の校舎があります。

f:id:ma2sun:20200101181439j:image右隣は明治時代の校舎。現在は展示室になっているようです。

f:id:ma2sun:20200101181443j:imageここではパンが振る舞われました。おいしい教室で販売されているものでしょうか?カタチは同じで5種類ぐらいの味から好きなものを選びます。自分はカボチャ味を選択。できれば全種類食べたかった…。素朴なパンでしたが、一生懸命種類を説明してくれる地元の優しいおばちゃんに感激しました。

パンを食べたらすぐに出発します。このイベントではエイドで長居している人はおらず、補給をパッと摂って潔く出発する人ばかりなのでつられてしまいます。

しかし、なかなか興味深いエイドでした。今度はゆっくり観光で来てみたいと思います。

ところで、このエイドで自分と同じ白のヌーボクラシコを発見。お仲間と来ているようでチネリのスーパーコルサも見かけました。クロモリ仲間と走れるなんて羨ましい…。

 おいしい学校を出てからしばらくは、これまでと同じような勾配の上り坂が続きます。景色も変わらず左手に畑が広がり八ヶ岳が望めます。

f:id:ma2sun:20200108205636j:imageおいしい学校で体力が回復したため調子に乗ってペースアップ。しかし、これが裏目に出ました。

気付けば少しずつ勾配が増しています。8%、9%、10%…。路面はいつしか滑り止めの溝切りに変わりました。そしてついに13%!どうやら例の海岸寺の坂に入ったようです。

さっきもそうでしたが、このさりげなく激坂に突入するのやめて欲しい。分かっていればセーブしたのに…。

仕方ないのでここから激坂にアジャストしていきます。フルパワーでないと上れませんが、出し過ぎるとすぐに脚が売り切れてしまうため、止まらないギリギリまでペースを落とします。ケイデンス35、速度は7km/hぐらい。

たっぷりした道幅がある高速コーナーが続きます。勾配はずーーっと13~14%。休めるポイントがありません。いつまで続くの…?


f:id:ma2sun:20200108214756j:imageバイクから降りる脱落者も出始めました。

f:id:ma2sun:20200108214741j:imageこの標識は終盤に現れます。これ以外に海岸寺の文字は何処にも見当たらず。これだけの坂なのに正式な峠の名前が無いのも不思議です。

f:id:ma2sun:20200108214737j:imageみんなフラフラです。

あまりの長さにだんだん楽しくなってきました。

スゲーな海岸寺!!

暫くして、「ピークまであと500m」と主催者が設置した表示が現れました。最後の力を振り絞ります。

f:id:ma2sun:20200108214746j:imageやっとピークに到着。給水所が設置されていました、ありがたや~。

海岸寺の坂、予想以上でした。後で確認すると、13~14%の激坂が3km近く続いた計算です。

この後は久々の下り。あ~楽ちん~♪と思っているとあっという間に平坦になります。やがて小さな集落の中に入り、第7エイド”JA梨北”が見えてきました。

  

JA梨北(第7エイド)~清里丘の公園(第8エイド)

f:id:ma2sun:20200111010523j:image時刻は13:00、第7エイド”JA梨北”に到着しました

その名のとおりJA梨北(清里出張所)のクルマ7,8台分ぐらいの駐車スペースを利用したこじんまりとしたエイドです。最初気付かず、通り過ぎそうになりました。

こちらでは花豆トウモロコシがふるまわれました。

f:id:ma2sun:20200111010502j:image控えめな甘さ。こういうのがいちばん好きなのです。

f:id:ma2sun:20200111010556j:imageちょっと堅かったトウモロコシ。でも美味しくいただきました。

スタッフも明るくアットホームなエイドでした。

JA梨北を後にし清里方面へ向かいます。全行程の9割近くまで来たでしょうか?難所の海岸寺をクリアしたため気分的に楽です。

f:id:ma2sun:20200111010537j:image前方に八ヶ岳が見えます。道は平坦。ここから先はのんびり走れるかな?と思っていたら、そう簡単にはいかずまた上りが始まりました。

f:id:ma2sun:20200111010532j:image意外にも長い…。疲れた脚に堪えます。後ろからアスリート系の女子2人組がガシガシと追い抜いていきました。速…。

地図の感じではすぐ国道141号に出るはずでしたがとても長く感じました。疲れが溜まっているのでしょう。

ペンション街を抜けようやく141号に合流。北上すると思いきやすぐに左折して脇道に入ります。この脇道が細く、路面も砂が浮いてガタガタ。間違えてどこかの林道に迷い込んだかと思いました。不安なまま暫く進むと、いきなり広い道に出ます。それを横切ると正面に”清里丘の公園”が見えてきました。

 

清里丘の公園(第8エイド)~清里の森(ゴール)

時刻は13:30、最後のエイド清里丘の公園”に到着しました。

f:id:ma2sun:20200111010454j:imageやたらに広い駐車場です。名前は公園ですがゴルフ場がメインのようで、バブルの面影があります。

f:id:ma2sun:20200113164106j:image片隅にエイドのテントがありました。ここでは待望のソフトクリームがふるまわれます。これを楽しみにここまで頑張ってきたと言っても過言では無い?(汗)

f:id:ma2sun:20200111010529j:imageソフトクリームはひとくちだけでした…が最高でした。口直し?のキュウリもあります。

お陰で元気が出ました。後はゴールを目指すだけです。

清里丘の公園を出て先ほど横切った道に合流します。清里駅へ真っ直ぐ続く一本道。5%ぐらいの上りです。

f:id:ma2sun:20200111010511j:image周りは牧場で、牛たちがのんびり草を食んでいます。八ヶ岳らしい癒される景色ですが眺める余裕はありません。地面と睨めっこして漕ぎ続けます。

清里駅手前で左折、小海線の踏切を渡ればゴールは目の前です。最後の上り…キツかった。

f:id:ma2sun:20200111010547j:image清里の森に入りゴールです!

時刻は13:50、ガーミンの計測では距離75.5km、獲得標高1,545m、移動時間4:00ちょうど、平均速度18.9km/hでした。当初13:00ぐらいに戻れると思っていたので、それより時間がかかりました。

ゴール後、完走記念のメダルが配られます。人は少なく、待たずにすぐ受け取れるのがいいです。

最後に感想です。ショートでも走りがいがあるコースでした。特に後半の海岸寺の坂は噂通りの激坂で楽しめました。乗鞍のヒルクライムより走った感があるかも?規模もこじんまりとしていて、本当に好きな人たちが参加している感じも良かったです。また、時期的に暑くも寒くもなく、高原の清々しさを存分に味わいました。ということで、全体的に好印象です。リピート間違い無しでしょう!(多分…)

f:id:ma2sun:20200111010541j:image最後に清里の森で1枚(^^)