クロモリストへの道

クロモリストへの道

パンターニをこよなく愛するポタクライマーが綴るクロモリを中心としたロードバイク生活

安曇野センチュリーライド

もう半年近く前になりますが、5月に参加したロングライドイベント安曇野センチュリーライド(以降、AACR)”についてレポートしたいと思います。

AACRは自転車ネタでは鉄板ですので(特「ろんぐらいだぁす!」の読者には)新鮮味が無いと思いますがなにとぞお許しください。自分は「ろんぐらいだぁす!」も読んでおらず予備知識ゼロで参加しました(^^;

結論から言ってしまうと、AACR、最高でした

なにより北アルプス安曇野の絶景を堪能できるコース設定が素晴らしいです。

それ以外にも、
・各エイドステーションで振る舞われる美味しい食べ物
・地元の方々の温かい応援やホスピタリティ
・要所ごとに案内板とスタッフを配置し安心して走れる大会運営
とパーフェクトです。人気の理由が分かりました。

ですが、以前は自分が出ることは無いイベントと思っていました。それなのになぜ参加する気になったのか?まずはその経緯からお話ししたいと思います。

 

プロローグ ~参加決意からイベント当日まで~

信州、特に北アルプスの風景が大好きな自分は安曇野に憧れています。いつか移住したいと思っているほど。AACRはそこで開催されているイベントということで昔から知っていましたが、興味が沸くことはありませんでした。なぜなら、前回触れたとおり自分は長距離が大の苦手、というか嫌い。ヒルクライムに行くにも車にバイクを載せて山の麓の駐車場まで運んでいたぐらい。

それが、ヌーボに乗り始めてから少し考えが変わりました。「クロモリなら景色を見ながらゆっくり走るロングライドもいいかな?」と。

前回インプレしたヤビツ峠へのチャレンジで、「クロモリでもヒルクライムは楽しめる」ことも分かりました。

そこで、”景色がよく、ヒルクライム(そこそこの坂道)も楽しめそうなAACR”に参加してみることにしたのです。

さて、AACRは昨年から4月(桜のAACR)と5月(緑のAACR)の2回開催されています。両方には参加できずどちらかを選ぶ必要があるため、気候的に暖かく新緑がきれいな(でも北アルプスの残雪はまだ見れる)緑のAACRに決めました。

コースは80km、120km、160kmの中から選びます。もちろん短い方がよいのですが、80kmは景色のハイライトであろう白馬まで行かずに折り返してしまうため少し物足りなさそう。120kmと160kmはスタート地点がそれぞれ安曇野、松本という違いだけでともに白馬折り返しです。そこで迷わず120kmに決めました。まあ、距離的に160kmは絶対あり得ないです…(汗)。

120㎞でも自分には未知の領域。距離に慣れるため、大会までにロングを何本か走ろうと思っていましたが、貴重なGWは旅行に出掛けてしまい、さらに休み明けに風邪を引くという不摂生ぶりでローラーさえ漕げない始末。結局ぶっつけ本番で臨むことになりました…。

その一方、Amazonでこんなシロモノを物色してました。

取り外し可能なロード用のバイクスタンドです。なんとカーボン製! 2分割できてサドルの下に目立たなく収納できます。

f:id:ma2sun:20190926003340j:imageAACRでは北アルプスをバックにたくさん写真を撮りたいと考えていましたが、同じことを考えている参加者はたくさんいるはず。そうすると、ビューポイントのバイクを立てかけるガードレールやポールは争奪戦になるのでは?と思い購入しました。

AACRではもう一つ準備しておくことがありました。自己車検です。バイクに異常が無いかサイクルショップに点検してもらい、お店のサインが入った証明書を会場の受付に提出しなければならないというものです。安全を第一に考えた真面目なイベントと思いました。

大会の前週、組み立てを依頼したショップにバイクを持ち込みお願いすると、ヘッドまわりのガタのチェックも兼ねて快く引き受けてくれました(無料でした)。

 

イベント当日~受付~スタート

さて、そうこうしているうちにイベント当日がやってきました。

前日の夕方に家族と近くのホテルにチェックイン(今回は家族サービスも込み)し、明け方4時にそそくさと一人抜け出してスタート地点の会場に向かいます。因みに家族はゆっくりチェックアウトし、自分のライド中は周辺の美術館巡りをする予定。

120kmコースのスタート会場は国営アルプスあづみの公園(堀金・穂高地区)です。朝の4時半というのに、駐車場には既に参加者の車両がたくさん停まっていました。

f:id:ma2sun:20190824173656j:image朝焼けがきれいです。いい天気になりそうでよかった(^^)

と見とれている余裕はありません。まだ受付を済ませていなかったため、早速会場のテントに向かい、車検証と引き換えにゼッケンと記念品を受け取ります。AACRは当日受付もできるのでとても助かります。そして車に戻り急いで着替えを済ませ、愛車のヌーボとともにスタート地点に向かいます。今日は暑くなりそうな気配ですが、まだ気温は低いため一旦ウィンドブレーカーを着込みました。

f:id:ma2sun:20190824173753j:imageスタート地点から北アルプスの雄姿が。これからの景色に期待が膨らみます(^^♪

 

スタート~あづみの公園大町エイド

f:id:ma2sun:20190824173743j:imageスタート地点にはDJの方がいて参加者を盛り上げています。イベントのこういった雰囲気はいいですね。いよいよ始まるんだと気持ちが高ぶります。

スタート時刻は5時20分(早っ!)。まずは120km組、その後80km組という順番です。自分は120km組の最後の方に並びました。4~5台単位で約20秒おきにスタートするため、順番が来るまでかなり待ちます。自分の順番は5時40分ぐらいでした。さあ、いよいよスタートです!

スタート会場を出ると、すぐに安曇野アートライン”山麓線(県道25号線)に入り北上をはじめます。安曇野アートラインは、安曇野市から白馬町の間に点在する19の美術館を結ぶ約50kmのライン(道)とのことで、AACRのメインルートです。いわゆる絶景ルートなのですが、スタートから次の大町エイドまでの区間は、山麓の森に隠れて北アルプスはあまり望めません。

スタートしてすぐ感じたのは「ペース速っ!」ということです。ロングライドのためノンビリ和気あいあいと、とイメージしていましたが違いました。巡航速度30km/hぐらい。20秒前にスタートした集団はもう見えません。追いつこうと必死に漕ぎます。

5分ぐらい走るとアップダウンがあるポイントに差し掛かり、ようやく前の集団に追いつきました。アップダウンと言ってもアウターロー(53x25)で踏み抜ける緩やかな坂道です。因みに、AACRは全体を通しても復路の一部ヒルクライム区間以外はほぼアウターで走れます。

その後、何度か赤信号でストップ。参加者は皆マナーよく、決して信号無視する人はいません。これも事前に大会主催者の鈴木雷太さんが安全第一を熱心に呼び掛けた成果と思います。ストップ&ゴーを繰り返すうちに集団は大きくなり、やっとのんびりペースになりました。以前訪れたことのある”ちひろ美術館”(とても癒されるお勧めスポットです)などを横目に見ながらゆっくり進みます。

スタートから約20km、45分ぐらいで、120kmコース最初のエイドステーションである”あづみの公園大町エイド”に到着しました。時刻は6時30分です。

スタート会場と同じあづみの公園ですが、こちらは森に囲まれたとても静かなところです。公園入口から実際のエイドまでは森の中のくねくねした道(リスの小径と言うそう)を10分ぐらい走ります。するとようやくエイドの白いテントが見えてきました。

AACRの人気の理由のひとつは、各エイドでふるまわれる地元の美味しい食べ物です。こちらでは、味噌おにぎり、漬物、サラダ(レタス)をいただきました。

f:id:ma2sun:20190824173717j:image味噌おにぎりは、まず白米のおにぎりが配られ、タッパーに入った味噌を「自分でお好きなだけどうぞ”、」というスタイルです。味噌は2種類(甘いのと辛いの?)ありました。お言葉に甘えてたっぷり盛ります。白米に味噌というのは最強の組み合わせですね、ペロリと平らげました。もう1~2個いけそうですが、この後のエイドでも色々いただけるであろうことを考え我慢…(汗)。コースに復帰しました。

 

あづみの公園大町エイド~大町木崎湖エイド

大町エイドを後にし、再び山麓線(県道306号線)を北上します。

f:id:ma2sun:20190824173740j:imageフラットで見通しもよく走りやすい道です。

15分ぐらい走ると高瀬川の”蓮華大橋”に差し掛かり、いきなり北アルプス側の視界が開けました。

f:id:ma2sun:20190824173730j:image思わず「ワアッ!」と声が出ました。北アルプスを望む最初の絶景ポイントです。早速バイクを停めて記念撮影。

その後は、ず~っと左手に北アルプスを見ながら走ります。残雪が残る美しい北アルプスの山々が水を張ったばかりの水田に写り込み、”絵になる風景”です。写真を撮りたくなるポイントが随所にあり、次はどこで撮ろうか?と気になって仕方ありません。

f:id:ma2sun:20190824173713j:image大原町交差点手前のクランク部分で撮影のため停車。ここで秘密兵器のバイクスタンドを試すことに。ガードレール越しではなく、北アルプスとバイクが一体化した写真が撮りたい!

しかし、少々手こずりました。バイクスタンドはもともと駐輪用のため、バイクが結構斜めに傾いてハンドル(前輪)がすぐに折れてきてしまいます。写真を撮るのにこの格好はイタダケナイ…。試行錯誤の末、ストッパーとして前輪に小石をかませ、なんとか真っすぐになりました。やっと理想的な1枚が撮れて満足(-。-)y-゜゜゜

北アルプスの雄姿に見とれているうちに、あっという間に次の”大町木崎湖エイド”に到着しました。時刻は7時ちょうど。前の大町エイドから10kmちょっと、30分です。全然走った気がしません~。

こちらのエイドはノスタルジックな公民館に併設されていました。エイドにはトイレが不可欠なためこういった建物を利用しているのですね。地元の方々のご協力に感謝です。

さて、楽しみなこちらでのふるまいは、”冷や麦”と”水ようかん”でした。

f:id:ma2sun:20190824173649j:imageわんこそばみたいですが冷や麦です。一口で完食~。

f:id:ma2sun:20190824173700j:imageピンぼけしてますが水ようかんです。2個いただいてしまいました。こちらもあっという間に完食~。

食事後、ウィンドブレーカーを脱いでポケットにしまいました。気温が上がってきて、この先は半袖でいけそうです。というか、この後だいぶ日焼けしました(日焼け止め忘れた…)。そしてすぐにコースに復帰、先を急ぎます。

 

大町木崎湖エイド~白馬エイド

大町木崎湖エイドを出ると、すぐに木崎湖が見えてきます。木崎湖は仁科三湖のひとつ。このあと中綱湖、青木湖と続きます。仁科三湖というと”犬神家の一族”を思い出してしまう私はかなりのオジサンです(^^ゞ

木崎湖は国道ではなく対岸の細い道を進みます。学生の頃泊まった木崎湖キャンプ場を過ぎると、湖面が間近に見えてきました。路面はガタガタでアップダウンもありますが、車どおりがなく気持ちのよいコースです。

木崎湖を過ぎると大糸線の踏切を渡り、国道148号に出ます。車どおりが多く少し緊張モード。今まで横並びでおしゃべりしながら走っていた参加者たちも縦一列になりました。

ほどなくして左折、並走していた大糸線の踏切をまた渡り、のどかな田舎道に戻ります。簗場駅を過ぎて左手に見えてくるのが中綱湖、こちらはコンパクトなかわいい湖ですね。

その後見えてくるオオトリが青木湖です。ひっそりしていて神秘的なムード。写真を撮るのに停まれる場所はないかな~?と思っていたら、人だかりができているポイントがありました。

f:id:ma2sun:20190824173802j:image北アルプスと青木湖をバックにパチリ。ここは定番の撮影ポイントのようです。ちょっとした空き地にバイクが停められるスペースがあり、参加者たちは愛車の撮影に興じていました。皆さん、さすが絶景ポイントはしっかり押さえているのですね…。

青木湖を過ぎる国道148号線とクロスする”佐野坂”という交差点に出ます。ここで国道には合流せずそのまま直進。森に囲まれた雰囲気のある道で、道幅が広く真っすぐな下り坂のためスピードが乗ります。個人的に全ルート中、いちばん気持ちいいと感じた区間かも。

f:id:ma2sun:20190824173750j:image間もなくして森を抜けると、トンネルから出たように視界が開けて一面の田園風景が目の前に広がりました。思わずまた「ワアッ!」と声が出ます。

そして暫くすると、左前方に白馬連山が顔を出し、どんどん近づいてきました。

この”湖から森を抜け白馬連山を望む田園地帯に至る一連のパノラマ”は、安曇野アートラインならではのプレミア風景と思います。本当に素晴らしいコースだと、しみじみ実感…(*´ω`*)

f:id:ma2sun:20190910205003j:imageということでまた記念撮影。県道33号線に合流する”土合橋南”交差点手間付近にて。

この後、道はまた国道148に入り”みそら野”のペンション街を走り抜けます。この辺りは若いころよくスキーで訪れました。当時はランチャデルタにスタッドレスを履いて栂池や八方まで遠征したものです。

そのまま国道を北上すると思いきや、白馬駅の手前で急に右折し裏道に入ります。「なぜこんな道を?」と思いながら取り敢えず前走者についていきます。長野オリンピックの施設と思わしき五輪マークの付いた体育館があったりして少しノスタルジー。建物のくたびれ感が20年の歳月を感じさせます。

そのまま道なりに進むと、どんどんのどかさが増してきます。「一体どこへ向かっているのだろう?」と不安になりかけたその時、サプライズな風景が広がりました。

f:id:ma2sun:20190824173653j:image松川にかかる橋です。白馬連山をバックに清流を望む最高のロケーション。

裏道はここに向かっていたのですね。AACR随一の絶景ポイントと思います。大勢の参加者が橋の欄干にバイクを立てかけて撮影していました。自分も負けじと記念撮影!

素晴らしい景色を満喫した後、松川沿いを上流に向かって進みます。国道148号線を横切り暫くすると、120kmコース3つ目のエイド、”白馬エイド”に到着しました。

f:id:ma2sun:20190824173747j:image”白馬エイド”は120㎞と160㎞コースの折り返し地点に当たり、目指していた目的地にふさわしい気持ちのよい場所でした。広々した草むらから白馬連山が望め爽快感抜群。長い距離を走ってようやく辿り着いた楽園という雰囲気です。ほとんどの参加者が草むらに座りゆっくり休憩を取っていました。皆とても満足げな表情です。

さて、こちらでは、”豚汁”と”赤米のおにぎり”がふるまわれました。地元産のミネラルウォーターもありましたがそれは受け取らず。

f:id:ma2sun:20190824173706j:image温かい豚汁が胃袋に染み渡ります。おにぎりは二口ぐらいでペロリ。あとは持参した補給食で空腹を満たしました。

ここでは少し長めに10分ぐらい休憩を取り、いよいよ折り返しの後半戦に突入です。

 

白馬エイド~大町美麻エイド

白馬エイドを出発したのが8時30分過ぎ。スタートから約3時間、60㎞弱走りました。ここまでは、次々現れる絶景に目を奪われ、疲れも全く感じずにあっという間でした。

しかし、折り返し地点を過ぎ、復路に漕ぎ出した途端に何故か一気に疲れがきました。「まだあと60㎞もあるのか…走り切れるかな?」と弱気になり、サイコン(の残りの距離)ばかり見るようになります。

復路は前後の参加者との間隔が開いて単独走行が多く、さながらブルべの様相です(出たことないけど…)。特に直線とダイナミックな高速コーナーが続く国道148号線は自分との孤独な闘い、空気抵抗を減らすために下ハンを握り必死に速度を維持します。それでも時速30㎞/hが精いっぱい。

反対車線からは、松本スタートの160km組のトップ集団が有り得ないスピードで駆け抜けていきました。時速40~50㎞/hぐらい?AACRはタイム計測をしないイベントですが、中には非公式のタイム狙いで本気で走っている人たちもいるのでしょう。追い抜かれるのは時間の問題…。

また、復路は北アルプスを背にしての走行が中心となるため、景色を見る楽しみが減ります(それでも十分楽しめますが)。反面、北アルプスをバックに走る姿が収められるため、イベントカメラマンによる撮影が数箇所で行われていました。カメラマンの前では無意識を装いつつ少し緊張…。

この写真を見るのはイベント後の楽しみであり、「高っっ!」(@3,000円/カット・イベント後2週間は半額キャンペーン)と思いながらついついクリック(お買い上げ)してしまいます。いい商売だなぁ…。

f:id:ma2sun:20191007160425j:plain写真はこんな感じ。ソロ参加の自分では撮れない貴重なショットです。

さて、復路には2箇所のヒルクライムがあります。1つ目は青木湖の手前でおもむろに左折し1kmぐらい登るプチコース。疲れているところに坂道で一瞬気持ちが萎えますが、すぐに終了してメインルートに戻りました。ホッ…

2つ目は木崎湖の途中で左折する本格コース。道はどんどん細くなり山の中へ入っていきます。久々のインナーロー。勾配は6%ぐらいで大したことはありませんが、だらだらと終わりが見えません。「うーん、いつまで続くんだろう?」「次のエイドはまだだろうか?」 往路に比べ、復路はエイド間隔が長い気がします。フラフラになりながら漕いでいると、「右、通りまーす!」という声とともに、160km組のトップ選手が一瞬で抜き去っていきました。ナンナンダあの元気さは…。

AACR最大の難所であろう山道を登り切ると、ようやく次のエイド”大町美麻エイド”に辿り着きました。あぁ、オアシスだ…。

f:id:ma2sun:20190824173710j:image”大町美麻エイド”は山間に突如現れた牧草地?で、本当にオアシスみたいでした。この辺りは”中山高原”と呼ばれているそう。”農園カフェ・ラビット”というお店が飼っているヤギや羊もいてゆったりピースフルな空気が流れていてます。多くの参加者たちは草むらに座ったり寝転んだりしてヒルクライムの疲れを癒していました。

さて、ここでの振る舞いは"そばの薄焼き""行者ニンニクの冷奴"です。

f:id:ma2sun:20190824173733j:imageそばの薄焼き

f:id:ma2sun:20190824173725j:image行者ニンニクの冷奴 

どちらも素朴で渋い(?)田舎料理ですが、こういった気取らないその土地ならではのものが味わえるのもロングライドの楽しみのひとつです。

お腹も満たされて眠くなり「少し昼寝でも…」という誘惑に駆られましたが、必死に振り切りコースに復帰しました。時刻はちょうど10時です。

 

大町美麻エイド~安曇野エイド

大町美麻エイドからは大町市街に向けて豪快なダウンヒルです。やっぱり下りはいい!登った甲斐があります。ですが楽な時間はあっという間に終了。そのまま国道148号に合流するかと思いきや、手前を左折。田んぼと用水路がある田舎の生活道路のような裏道を暫く進みます。こういった味のあるコースを選ぶのもAACRのニクイところです。

やがて大糸線の踏切を渡り大町市の中心街に入りました。店が立ち並ぶ久々の”街(まち)”の風景です。そして国道148号を横切り、高瀬川を越え、往路で通った”安曇野アートライン(県道306号)”に復帰しました。

後はそのまま来た道をスタート地点まで戻るだけかな?と思ったら違いました。暫くすると左折してまた国道147号大糸線を横切り、高瀬川を渡ります。橋を渡り終えたらすぐに右折して、高瀬川の土手沿いの道に出ました。この道は一般道ですが、車通りが少なくまるでサイクリングロードのよう。真っすぐ平坦で信号もなく、とにかく走りやすい。終盤で疲れているところ、体力を使わず距離を稼げるため助かります。

あとはひたすら南下するのみ。高瀬川越しに望む北アルプスの大パノラマがこれまた素晴らしいです。

f:id:ma2sun:20190824173736j:imageということで懲りずに写真撮影。

このルート設定も「最後まで楽しませてくれるなぁ~」と感心した次第でした。

さて、高瀬川沿いの走りやすい道のお陰で、残すところあと10㎞あまりというところまで来ました。池田町と安曇野市を結ぶ高瀬川の橋を渡り、安積追分駅を横目に大糸線を越えると、見慣れた穂高エリアの風景。田んぼの中の癒される道を穂高駅に向かって進みます。ここからゴールまでの道のりはだいたい分かります。もうすぐ終わってしまうんだ…と思うと少し切なくなりました。

お気に入りの蕎麦屋さん”上條”(ライド後に家族と寄りました)の横を通り過ぎ、「そろそろゴールなのでもうエイドは無いかな?」と思ったところ、最後のエイドとなる安曇野エイド”の標識が現れました。

安曇野エイドの会場は碌山(ろくざん)公園でした。隣に有名な碌山美術館があります。この辺りは昨日泊まったホテルのすぐ近くです。まさかエイドがあるとは知りませんでした。

f:id:ma2sun:20190824173757j:imageこちらでの振る舞いは”りんごジュース”と”おはぎ”でした。

疲れた体には最強の組み合わせです。このアルミパックに入ったりんごジュースは、近くの道の駅で凍らせて売られていました。 

さて、ここからの残りは5㎞足らず、一気にゴールできそうですが気合いを入れ直します。というのも、ここからゴールのあづみの公園まではずっと緩やかな登りであることを今朝ホテルから向かうときに確認済み。最後の踏ん張りどころです。

 

安曇野エイド~ゴール

安曇野エイドを出発し、ゴールに向かって真っすぐ進むと思いきや、左折して用水路沿いの細いサイクリングロードに入りました。しかし、本当によく寄り道するなぁ~。

この用水路は江戸時代に作られた歴史あるもので”拾ヶ堰(じっかせぎ)”と呼ばれており、松本まで15kmも続いているそう。桜並木になっている場所もあり、北アルプスをバックに桜が見られるビューポイントのようです。「桜のAACR”の頃が見頃なのかな?そっちにも出てみたいなぁ」

などと考える間もなく拾ヶ堰とはすぐにお別れ。右折していよいよゴールへ向かいます(160㎞組は暫くそのまま進むようです)。ゴールまでは勾配3%ぐらいの直線路が2㎞半ぐらい続きます。気力を振り絞りアウターのまま何とかクリア。そして公園入口の最後のアプローチ(残り100m)に差し掛かった時、勾配が意外ときついことに気付きました。一瞬迷った末、インナーにシフトダウン。その瞬間、チェーンが落ちました…(泣)。

ゴールを目前にして立ち往生、バイクから降りてチェーンをはめます。情けな…手も真っ黒です。

最後がグダグダでしたが、何とかFINISHアーチをくぐりました。ゴールです!!

時刻は11時30分。ストラバの記録では、走行距離116km、獲得標高1,000m、走行時間4時間54分でした。

ところで、会場はスタート時とは打って変わり人影もまばらで閑散としていました。意外と地味なゴールです。最初「ここがゴールでいいの?」と思ったぐらい。自分の後にゴールした参加者も「会場の入口にゴールの案内が無いので気づかず通り過ぎてしまった」と事務局に標識の設置を促していました。

ゴール後、エナジードリンクと冷たいタイ焼き(完走おめでタイ焼きという名前)、それに完走証を受け取り、会場を後にします。

無事完走し、心地よい充実感に浸りましたが、「これ以上長かったら辛さに変わってしまったかも?」と正直思いました。もしまた参加するとしても160㎞ではなく120㎞を選ぶと思います。

ですが、肉体的には”ダメージが全く無い”ことに驚きました。翌日は筋肉痛で歩けないかも?と心配していましたが、それも一切無し(翌々日に出たというオチも無し)。今回のコースは冬季の雪のためか路面が荒れているところが多く、ライド中かなりの振動を受けましたが、体にダメージは残りませんでした。改めてクロモリのメリットを実感!

という訳で長々レポートしましたが、AACR、満喫しました! タイムを気にせずゆっくり景色を楽しみながら走るというのもいいですね。しかも、自分が知らない地元のとっておきの道を走れるのはこういったイベントならではと思います。すっかりロングライドにはまりました。また、他のイベントにも参加してみたいと思います(^^)